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「おはよう、鳥たちの声に耳を傾ければ心も落ち着いてくることだろう。

君の言いたいことはわかる。ここがどこかわからないのだろう。ここはIO41惑星のデルタ地区。

今見ている空は、建物の天井にあたる。安心したまえ、君は身の安全を保証されている。何も心配することなどない。

さぁ、キッチンに行き顔を洗ってきたらどうだ。きっと目も覚めることだろう。空腹を感じているなら、冷蔵庫の食べ物を自由に口にするといい。必要なものはすべて用意してある。足りないものがあればなんなく言ってくれたまえ。」


目の前のスピーカーから誰かがそう伝えた。ここはとても無機質な世界。

出来る限り装飾品を省いた至ってシンプルな部屋だった。羽を象った小さなレリーフが置かれている以外は特徴もない。天井から吊るされた植物の葉は床まで届いている。背景の白に溶け込み、目立たなかったがすぐ近くにらせん階段があるのを見つけた。どうやらその階段の向こうに誰かいるらしい。話し声が聞こえる。

楽しそうで、軽やかな足取り。誰かがこっちへ向かってくる。私はその人物を待った。

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